単語も文法もそれなりにわかる。なのに、いざ話そうとすると言葉が出てこない。そんな「わかるのに話せない」をほどく練習として紹介したいのが、スクリプト法です。
スクリプト法は、英語学習の発信をしている英語オタクMiyuさんがYouTubeで紹介している方法です。流れをひとことで言うと、こうです。
- 1人で話している英語の動画を、ノートに書き取る
- つかえずに読めるまで音読し、話し言葉として読めるようにする
- 主語や期間を入れ替えて、自分のことを話す文に作り変える
この記事では、動画で紹介されている手順を自分の言葉でまとめたうえで、動画選びのチェックリスト、ノートの書き方、言い換えの例、初めての人向けのはじめ方(こちらの提案)を整理しました。
いちばんのおすすめはスクリプト法です!
(更新日:2026年10月)
スクリプト法とは|英語オタクMiyuさんが紹介する練習法
スクリプト(script)は、英語学習では「音声の台本・英文」のことです。スクリプト法は、動画の英語を自分で書き取ってスクリプトを作り、それを音読と言い換えで自分が使える文にしていく練習です。
動画(約18分)では、会話はある程度できて聞き取りもそこそこできるけれど、「えーと」と止まらずにもっとスムーズに話したい人に向けた方法として紹介されています。Miyuさん自身も中上級者向けの内容だと話しています。初めての人がどう始めるかは、このあと「はじめ方の提案」で整理します。
動画の内容は、この記事の筆者が要約したものです。細かいやり方やノートの実例は、動画本編と説明欄をご覧ください。
スクリプト法の手順
動画で紹介されている流れを、6つのステップにまとめました。用意するのは、大きめのノートと、YouTubeが見られる端末(スマホでもOK)です。書き取る量が多いので、小さなメモ帳より大きめのノートがすすめられています。
会話や映画は、間が空いたり短い一言のくり返しだったりして書き取りにくいため、1人で語っている動画が向いているとされています。内容に「わかる」と共感できる動画を選ぶと、気持ちを込めて読みやすくなります
動画の英語をノートに書き写します。知らない単語・フレーズは赤、それ以外は黒で書き分けると、あとで覚える所がひと目でわかります
まずはスラスラ読めることが目標。声の上げ下げや話す速さも動画をまねします。書き取った文を何度も読むので、単語帳を見返すような単語の復習にもなると説明されています
読み上げではなく、自分が話しているつもりで読みます。慣れてきたら、相づちのような一言を足すなど、少しずつ自分の言葉っぽくしてかまいません
主語や期間などを入れ替えて、自分のことを話す文にします。動画では、主語を入れ替える例や、could be・can be を入れて言い切りをやわらげる例が紹介されています。ここがスクリプト法のいちばんの特徴です
暗記するまで、毎日同じ文をくり返し読みます。動画では、暗記を避けずにやりこむことがすすめられています
シャドーイングやリピーティングが「聞いた英語をまねる」練習なのに対し、スクリプト法は最後に自分の文を作るところまで進むのが違いです。
動画で強調されている3つのポイント
- 速く読んで「口の筋トレ」をする:感情や意味はいったん置いて、自分のいちばん速いスピードで読む練習も入れます。スラスラ話すときの口の動きを一度体験すると、目指す状態がはっきりする、という考え方です
- 日本語から英語に置き換えない:「定時って英語で何だっけ」と訳すより、動画に出てきた表現(たとえば 9 to 5)をそのまま覚えて、自分の話に使います
- 覚えた文は会話で出せる「カード」:毎日の練習で手持ちのカードを増やしておくと、会話でとっさに出しやすくなります
動画選びのチェックリスト
スクリプト法は、どの動画を選ぶかで続けやすさが大きく変わります。選ぶときは次の点を確認してみてください。
- 1人で話している(Vlog、自分の習慣や考えを話す動画など)
- 英語の字幕がついている。自動生成の字幕は誤りが混ざることがあるので、投稿者がつけた字幕だとより安心
- 話している内容に共感できる・自分も話してみたい話題
- 話すスピードが速すぎない
- 1回で練習するのは30秒〜1分の区切りにできる
- 知らない単語が多すぎない(字幕を読めばだいたい意味がわかる)
YouTubeのヘルプでも、自動字幕は機械学習で作られるため品質にばらつきがある、と説明されています。書き取りの答え合わせに使うときは、字幕の英語が正しいか、怪しい所を辞書で確かめる習慣をつけておくと安心です。
書き取りにはLanguage Reactorも便利
YouTubeの動画で書き取りをするなら、パソコンのChromeに入れて使う無料の拡張機能「Language Reactor」が助けになります。もともとNetflix用として知られていますが、YouTubeでも使えます。
- 1文ごとに自動で止まるので、聞いて→止めて→書く、をくり返しやすい
- 字幕が一覧で表示されるので、書き取ったあとの答え合わせがしやすい
- 聞き取れない所は、同じ文だけをくり返し再生できる
日本語訳の表示など、一部は有料のPro版の機能です。英語字幕を見ながら書き取るだけなら、無料のままで十分使えます。入れ方と使い方は、こちらにまとめています。


ノートの書き方
書き取りは「全部きれいに書くこと」が目的ではありません。あとで音読と言い換えに使いやすい形にしておきます。
| 書くもの | 色・書き方 | 理由 |
|---|---|---|
| 知らない単語・フレーズ | 赤 | 覚える所がひと目でわかる |
| それ以外の英文 | 黒 | 音読用のスクリプトになる |
| 意味(必要な所だけ) | 小さく余白に | 音読のときに意味を思い出せる |
| 作り変えた自分の文 | 行を空けて下に書く | 書き取りの文とくらべて見直せる |
1ページに30秒〜1分分の英文、と決めておくと、書き取りに時間がかかりすぎて挫折するのを防ぎやすくなります。
飽き性なので熱中してやってしばらく止まるの繰り返しです。日付やタイトルを書いておくとどの教材、どの動画なのか思い出せます。
言い換え(作り変え)の例
ステップ5の「自分の状況に合う文に作り変える」は、慣れるまで何を変えればいいか迷いがちです。入れ替えやすいのは、主語・期間・場所・相手の4つです。次の例文は、この記事で用意した練習用の文です。
| 入れ替えるもの | 元の文(例) | 自分の文に作り変えた例 |
|---|---|---|
| 期間 | I’ve been trying to wake up earlier for the past two weeks. | I’ve been trying to study English for the past three months. |
| 主語 | My friend always says I should take a break. | My daughter always says I should take a break. |
| 場所 | I usually work at a café near my place. | I usually study at the library near the station. |
| 相手・目的 | I started this channel to share my daily routine. | I started learning English to talk with my son’s friends. |
最初は1つの文で1か所だけ入れ替えれば十分です。作った文は声に出して言い、言いにくい所は元の文の言い方に戻ってくり返します。
シャドーイング・リピーティングとの違い
| シャドーイング | リピーティング・リプロダクション | スクリプト法 | |
|---|---|---|---|
| 主な練習 | 聞きながら、ほぼ同時にまねる | 聞いて止めてから言う | 書き取り→音読→作り変え |
| 文字を書く | 書かない | 書かない | 書く |
| 自分の文を作る | 作らない | リプロダクションの入れ替えで少し | 作る(中心の練習) |
| 1回の時間(目安) | 10〜15分 | 10〜15分 | 書き取りがある分、長め |
動画の終わりでMiyuさんは、シャドーイングよりこうした音読の練習をすすめたいとしつつ、「自分に合うやり方でいい」とも話しています。
音の聞き取りを鍛えたいならシャドーイング、まねた文の意味を頭に残したいならリピーティングやリプロダクション、自分のことを話せる文を増やしたいならスクリプト法、というように目的で使い分けられます。止めてから言う練習のやり方は、こちらにまとめました。


初めての人はどう始める?(はじめ方の提案)
動画では中上級者向けとして紹介されています。ここから先は動画の内容ではなく、学び直しを始めたばかりの人向けに、負担を減らして試す方法の提案です。合うかどうかは人によって違うので、やりやすい所から取り入れてみてください。
| つまずきやすい所 | 軽くする工夫(提案) |
|---|---|
| 耳だけで書き取れない | 最初は字幕を書き写すところから始める。慣れたら字幕を隠して書き取る |
| 動画が速い・長い | 学習者向けの、ゆっくり話す動画を選ぶ。1回は30秒まで |
| ネイティブの英語が速くてついていけない | 英語が上手な日本人の動画→ネイティブの英語の先生の動画→ネイティブのVlog、の順に段階を上げる |
| 知らない単語が多すぎる | 赤で書く単語が1ページに10個を超えたら、もっとやさしい動画に変える |
| 作り変えができない | 上の表の「期間」か「主語」だけを入れ替える。1日1文で十分 |
| 音読でつかえる | 先にリピーティングで1文ずつ言えるようにしてから音読する |
1週間の進め方の例
同じ動画の30秒〜1分を、1週間かけて自分のものにする進め方の例です(研究で決まった方法ではなく、続けやすさを考えた目安です)。
| 日 | やること |
|---|---|
| 1日目 | 動画を選び、30秒〜1分の区切りを決めて書き取る |
| 2日目 | 知らない単語(赤)を調べ、つかえずに読めるまで音読 |
| 3日目 | 話し言葉として、気持ちを込めて音読。録音してみる |
| 4日目 | 2〜3文を自分の状況に作り変える |
| 5日目 | 作り変えた文を、ノートを見ずに言う |
| 6日目 | 元の文と作り変えた文を、通して言う |
| 7日目 | 見ずに言えたら卒業。言えない文だけ残して次の動画へ |
最初は、英語が上手な日本人。その次にネイティブの英語の先生、その次にネイティブのVlogに進んでいくのがおすすめです。
素材を広げたいとき・使ってみたいとき
YouTube以外に「1人の声で話している英語」を探すなら、オーディオブックもひとつの方法です。朗読は1人の語りが続くので、書き取りや音読の素材に向いています。手元に同じ本(紙や電子書籍)があれば、答え合わせもできます。
「Audible(オーディブル)」のおすすめポイント(2026年10月時点の公式サイトの表示)
- プレミアムプランは30日間の無料体験があり、その後は月額1,500円(いつでも退会できる)
- 数十万以上の対象作品が聴き放題
- 検索で言語を「英語」に絞り込んで作品を探せる
作り変えた文を、実際に人との会話で使ってみたくなったら、オンライン英会話で試してみるのもおすすめです。
「ワールドトーク」のおすすめポイント
- 日本人講師と話せるので、英語で言いたいことが出てこないときも日本語で確認できる
- 登録するだけで無料体験ができる
- クレジットカードの登録は不要
料金や体験の条件は変わることがあります。申し込む前に公式サイトで確認してください。
よくある疑問
- 毎日どれくらいの時間やればいいですか?
-
何分で効果が出る、と言い切れる根拠は見つかりませんでした。書き取りがある分、1回の時間は長くなりがちなので、1日15〜20分で30秒分を進めるくらいから始めると続けやすいと思います。
- 動画の英語を全部書き取らないとだめですか?
-
動画のMiyuさんは、選んだ動画の英語を書き残しています。ただ、書き取りに時間がかかって続かないなら、1回に練習する30秒〜1分を決めて、その部分だけ書き取る方法もあります(この記事の提案です)。
- 字幕のない動画でもできますか?
-
書き取った英語が合っているか確かめられないので、慣れるまでは字幕つきの動画がおすすめです。自動生成の字幕は誤りが混ざることもあります。
- どれくらいくり返せば「覚えた」といえますか?
-
動画では、暗記するまで毎日同じ文をくり返し読むことがすすめられています。目安として、ノートを見ずに、元の文と作り変えた文がつかえずに言えたら次へ進む、と決めておくと迷いません。
シャドーイングの記事もあわせて






まとめ
- スクリプト法は、英語オタクMiyuさんが紹介する「書き取り→音読→作り変え」の練習
- 動画は字幕つき・1人で話している・共感できるものを選ぶ
- 知らない語は赤、それ以外は黒。作り変えた文はノートの下に書く
- 作り変えは主語・期間・場所・相手のどれか1つから
- 動画では中上級者向け。初めての人は字幕の書き写しと30秒から試すのが提案
まずは、共感できる英語の動画を1本見つけて、30秒だけノートに書き取ってみてください。

