離れて暮らす親に、毎日電話をするのは難しい。でも、元気に過ごしているかは気になる。そんなときに頼りになるのが「見守りグッズ」です。
先に結論をお伝えします。見守りグッズは「何がわかればいいか」と「親がどこまで受け入れられるか」で選ぶのがいちばんの近道です。「毎朝起きたかだけわかればいい」なら、カメラではなくセンサーや家電で十分なことも多いです。
この記事では、調べてわかったことをもとに、次の3つをまとめました。
- 見守りグッズの種類と、それぞれの違い(比較表)
- 親の状態別の選び方
- 親に嫌がられないための伝え方と、買う前のチェックリスト
離れた親の見守りが気になる人は増えている
内閣府の「令和7年版高齢社会白書」によると、65歳以上の一人暮らしの人は男女とも増えています。65歳以上の人のうち一人暮らしの割合は、2020年で男性15.0%、女性22.1%でした。
「親が一人暮らしになった」「両親とも高齢になってきた」というタイミングで、見守りを考え始める方は多いはずです。
見守りグッズの種類と比較
見守りグッズは、大きく分けて5つの種類があります。
| 種類 | わかること | 親の負担 | プライバシー | 必要な環境(目安) |
|---|---|---|---|---|
| 見守りカメラ | 部屋の様子を映像で確認。会話できる機種も | ほぼなし | 気になりやすい | Wi-Fiが必要なものが多い |
| 人感・開閉センサー | 部屋での動き、ドアや冷蔵庫の開け閉め | なし | 気になりにくい | 機種によりWi-Fiか通信内蔵 |
| 見守り家電 | ポット・電球・エアコンなど、いつもの家電を使ったか | なし | 気になりにくい | 機種により異なる |
| スマホ・スマートスピーカーのアプリ | 位置情報、話しかけ、ビデオ通話、利用状況 | 操作が必要なものも | 設定次第 | スマホ・Wi-Fi |
| 緊急通報ボタン | 親がボタンを押したときに通知・通報 | 押す必要がある | 気になりにくい | 機種・サービスによる |
費用は「本体を買うだけ」のものと、「本体+月額料金」がかかるものがあります。同じ種類でも機種による差が大きいので、月額料金と解約の条件まで確認してから選びましょう。
見守りカメラ
映像で様子がわかるので、いちばん安心感があります。一方で、「見られている」と感じて嫌がる親も少なくありません。
- 向いている人:転倒が心配、家族が様子を目で確かめたい
- 気をつけたいこと:寝室やお風呂の近くには置かない。映す範囲を親と一緒に決める
人感・開閉センサー
「リビングで動きがあった」「冷蔵庫を開けた」といった生活の動きを知らせてくれます。映像がないので、親の抵抗感は少なめです。
- 向いている人:元気だけれど、毎日の生活リズムを知りたい
- 気をつけたいこと:「一定時間動きがないと通知」の設定ができるか確認する
見守り家電
電気ポット、電球、エアコンなど、親がいつも使っている家電の使用状況で様子がわかります。親は特別なことをしなくていいのがよいところです。
例として、象印の「みまもりほっとライン」は、通信機能つきの電気ポットで給湯などの使用状況を家族に知らせるサービスです。公式サイトでは、初期費用5,500円・月額3,300円(税込、初月無料)、課金6か月以内の解約は解約料がかかると案内されています(2026年10月確認)。
- 向いている人:毎日お茶を飲む、決まった家電を使う習慣がある
- 気をつけたいこと:その家電を使わなくなると、見守りにならない
スマホ・スマートスピーカーのアプリ
親がスマホを使っているなら、位置情報の共有やビデオ通話で様子を知ることができます。スマートスピーカーは、話しかけるだけで家族に連絡できる機能を持つものもあります。
- 向いている人:スマホやネットに抵抗がない親
- 気をつけたいこと:操作が負担になると続かない。設定は帰省したときに一緒に
緊急通報ボタン
具合が悪くなったとき、親がボタンを押すと家族や受信センターに知らせる仕組みです。
実は、自治体が高齢者向けに「緊急通報システム」を貸し出していることがあります。たとえば静岡市では、65歳以上の一人暮らしで市民税非課税世帯などの方を対象に、ボタン式の機器や火災報知器を設置し、設置費・月額料金は無料と案内しています(2026年10月確認)。対象や利用料は自治体ごとに違うので、親が住んでいる市区町村の高齢福祉の窓口や地域包括支援センターで確認してみてください。
親の状態別の選び方
| 親の状態 | 選びやすいグッズ | 理由 |
|---|---|---|
| 元気で、見守りに抵抗がある | 見守り家電、センサー | 親の操作が不要で、映像がない |
| 元気で、スマホを使える | アプリ、スマートスピーカー | 会話もでき、費用を抑えやすい |
| 持病がある・転倒が心配 | 緊急通報ボタン+センサー | もしものときに知らせる手段がある |
| 物忘れが気になってきた | センサー、カメラ(親と相談のうえ) | 生活リズムの変化に気づきやすい |
どれか1つで完璧に見守れるわけではありません。グッズ+ときどきの電話のように組み合わせるのが現実的です。
訪問や電話で確認してくれる「見守りサービス」もあります。人に様子を見てほしい場合は、あわせて検討してみてください。
親に嫌がられないための伝え方
見守りグッズで一番のハードルは、実は「親の気持ち」です。
- 「監視」ではなく「安心のため」と伝える:「私が安心したいから」と、自分の気持ちとして話す
- 親に選んでもらう:カメラとセンサー、どちらならいいか聞く
- 映す場所・通知の内容を一緒に決める:寝室やお風呂の近くは避ける
- まず試してみる:「合わなければやめていい」と伝える
「見守られる側」の気持ちを大切にすると、長く続けやすくなります。
見守りグッズを買う前のチェックリスト
- 何がわかればいいか決めた(起きたか/動いているか/緊急時の連絡)
- 親の同意をとった。映す範囲・通知の内容も一緒に決めた
- 実家にWi-Fiがあるか確認した(ない場合は通信内蔵タイプか検討)
- 本体価格だけでなく、月額料金と解約の条件を確認した
- 通知を受け取る家族を決めた(きょうだいで分担するか)
- 通知が来たとき、誰が・どう動くかを決めた(電話する、近所の人に頼むなど)
- 親が住む自治体の緊急通報システムなど、公的なサービスを調べた
- 設置は帰省のときに一緒に行う予定を立てた
まとめ
離れた親の見守りグッズは、次の3つを意識して選ぶと失敗しにくくなります。
- 何がわかればいいかで種類を選ぶ(毎朝の様子ならセンサーや家電で十分なことも)
- 親の同意をとり、映す範囲や通知の内容を一緒に決める
- 自治体の緊急通報システムなど、公的なサービスもあわせて確認する
まずは、次の電話で「どんな見守りなら安心?」と親に聞いてみるところから始めてみてください。
参考(2026年10月1日確認)
- 内閣府「令和7年版高齢社会白書」
- 象印マホービン「みまもりほっとライン」公式サイト
- 静岡市「緊急通報システム」

