実家じまいでお金がないときの進め方|先に払わない順番と使える制度4つ

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片付けの段ボールが置かれた、やわらかな光の差す和室
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親が施設に入った、あるいは亡くなったあと。空いた実家をどうにかしなければと思っても、「片付けや解体にお金がかかるらしい。でも、そんな余裕はない」と手が止まってしまう方は少なくありません。

先に結論をお伝えします。実家じまいは、手元にお金がなくても進められることが多いです。 ポイントは「先にお金を払わない順番」で進めること。そして、使える制度を早めに知っておくことです。

この記事では、調べてわかったことをもとに、次の3つをまとめました。

  • お金をかけずに進めるための順番
  • 知っておきたい制度(補助金・税金の特例など)
  • 選択肢ごとの比較と、始める前のチェックリスト

※税金・相続・法律は、個別の事情で結論が変わります。最終的な判断は、税理士・司法書士・弁護士などの専門家や、お住まいの自治体の窓口に確認してください。

目次
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実家じまいで「お金がかかる場面」は主に3つ

実家じまいの費用は、大きく分けると次の3つです。

場面主な内容金額が変わるポイント
片付け(家財の処分)家具・家電・衣類・食器などの処分や運び出し家の広さ、モノの量、階段の有無、作業人数
解体建物を壊して更地にする建物の構造(木造・鉄骨など)、広さ、道路の広さ
売却・手続き仲介手数料、登記、測量など売り方(仲介か買取か)、土地の状態

どれも家ごとの差がとても大きいのが特徴です。ネットの「相場」だけで判断せず、見積もりを取ってから考えるのが安全です。

多くの場合、見積もりや査定は無料で受けられます(業者によるので、依頼前に確認しましょう)。

お金がないときは「先に払わない順番」で進める

お金がないときにいちばん避けたいのは、先に片付けや解体にお金を払ってから、売れるかどうかを考える流れです。次の順番なら、手元のお金をほとんど使わずに見通しを立てられます。

手順1:家族で「実家をどうしたいか」を話し合う

最初にやるのは、お金のかからない話し合いです。

  • 売る/貸す/しばらく残す のどれにしたいか
  • 名義は誰か(親の名義のままか、相続が済んでいるか)
  • 費用は誰がどう負担するか

とくに費用の分担は、あとでもめやすいところです。早めに話しておきましょう。

我が家は両親が70歳になった時に終活として話し合いをしました。

手順2:家財も建物も「そのまま」の状態で査定してもらう

次に、今の状態のままで、いくらで売れそうかを聞きます。

  • 不動産会社の「仲介」の査定(相場で売れる見込み額)
  • 不動産会社の「買取」の査定(すぐ売れるが、仲介より安くなりやすい)
  • 家財を残したまま引き取る「現状渡し」ができるか

家財や建物を残したまま買い取ってもらえれば、片付け費用や解体費用を自分で先に払わずに済むことがあります。

手順3:売れるモノを先に現金化する

片付けを業者に頼む前に、売れるモノを売っておくと、費用の足しになります。

  • 着物・骨董品・貴金属・ブランド品
  • 年式の新しい家電、状態のよい家具
  • 趣味の道具やコレクション

買取と片付けを一緒に頼める業者なら、買取額を片付け費用から差し引いてもらえる場合もあります。

手順4:片付け・解体は相見積もりを取ってから決める

見積もりは、2〜3社から取るのがおすすめです。見るポイントは次のとおりです。

  • 見積もりの内訳が書いてあるか(「一式」だけになっていないか)
  • 追加料金がかかる条件が書いてあるか
  • 家庭ごみを運ぶための許可があるか、または市区町村の委託業者と連携しているか

国民生活センターによると、不用品回収サービスの相談は2021年度に2,000件を超えています。「定額パックのはずが、作業後に高額を請求された」という相談が多いそうです。困ったときは、消費者ホットライン「188」に相談できます。

手順5:売却代金から費用を精算する方法を相談する

仲介で売る場合でも、片付けや解体の費用を売却代金が入ってから払う形にできないか、不動産会社や業者に相談してみましょう。対応できるかどうかは会社によって違います。

知っておきたい制度4つ

ここからは、実家じまいで関係しやすい制度です。どれも条件が細かいので、「こんな制度がある」と知っておき、使えそうなら窓口で確認してください。

1. 自治体の空き家解体・改修の補助金

多くの自治体で、古い空き家の解体や改修に補助金を出しています。国の「空き家対策総合支援事業」が、こうした自治体の取り組みを支えています。

ただし、金額や条件は自治体ごとにまったく違います。 探し方は次のとおりです。

  • 「(実家のある市区町村名) 空き家 解体 補助金」で検索する
  • 市区町村の住宅課・空き家担当の窓口に電話で聞く
  • 多くの場合、工事の契約前に申請が必要です。先に工事を始めると対象外になることがあるので注意しましょう

2. 相続した空き家を売ったときの「3,000万円特別控除」

相続した実家を売ったとき、一定の条件を満たすと、売った利益(譲渡所得)から最高3,000万円を差し引ける特例があります。税金が大きく変わる可能性がある制度です。

主な条件(国税庁の情報より。2026年10月確認):

  • 昭和56年5月31日以前に建てられた家であること
  • 亡くなる直前まで、親がひとりで住んでいたこと(老人ホームへの入所など、一定の例外あり)
  • 相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること
  • 特例の期限(2027年12月31日までの売却)に間に合うこと
  • 売却代金が1億円以下であること
  • 相続人が3人以上の場合は、控除は最高2,000万円

ほかにも、耐震改修や取り壊しの要件などがあります。期限があるので、売却を考えたら早めに税理士や税務署に相談しましょう。

3. 相続土地国庫帰属制度(土地を国に引き取ってもらう)

2023年4月に始まった制度で、相続した土地を国に引き取ってもらえることがあります。

  • 審査手数料:土地1筆あたり14,000円
  • 負担金:宅地などは原則20万円(面積で計算される土地もあります)
  • 建物が建っている土地は申請できません(先に解体が必要)

「売れない土地」の最後の手段として知っておくとよい制度です。窓口は法務局です。

4. 相続放棄

親に借金が多い場合などには、相続放棄という選択肢もあります。

  • 相続が始まったことを知ったときから3か月以内に、家庭裁判所に申し立てる
  • 申し立てには、収入印紙800円と郵便切手が必要

ただし、相続放棄をすると、預貯金など他の財産も一切受け取れません。 また、放棄の前に遺品を処分すると、放棄できなくなるおそれがあります。実家を片付け始める前に、弁護士・司法書士に相談しましょう。

選択肢の比較表|自分に合う進め方は?

進め方先に払うお金手元に残るお金向いている人
現状のまま買取ほぼなし少なめとにかく早く・手間をかけずに手放したい
仲介で売却(費用は売却後に精算)少なめ(相談次第)多め時間に余裕があり、少しでも高く売りたい
自分で片付け+買取・フリマ活用ほぼなし(手間と時間はかかる)多め実家が近く、家族で作業できる
補助金を使って解体→売却自己負担分が必要土地の条件による建物が古く、更地のほうが売れやすい地域
相続土地国庫帰属制度解体費+負担金などなし売れない土地を手放したい
相続放棄手続き費用のみなし借金など負の財産が多い

※「手元に残るお金」はあくまで傾向です。実際は物件によって大きく変わります。

お金がないからと「放置」するのは危険

「お金がないから、しばらくそのままに」と考えたくなりますが、放置にもお金とリスクがかかります。

  • 固定資産税は毎年かかり続ける
  • 管理が行き届かない空き家として市区町村から勧告を受けると、固定資産税の軽減(住宅用地特例)が受けられなくなることがある(2023年12月の法改正で対象が広がりました)
  • 建物が傷むほど、売りにくくなり、解体費用もかかりやすくなる
  • 3,000万円特別控除などの期限を過ぎてしまう

すぐに売れなくても、査定と制度の確認だけは早めにしておくと安心です。

実家じまいを始める前のチェックリスト

  • ☐ 家族で「売る/貸す/残す」の方向性を話し合った
  • ☐ 名義(登記)が誰になっているか確認した
  • ☐ 親の借金やローンの有無を確認した
  • ☐ 相続放棄を考えるなら、片付けを始める前に専門家に相談した
  • ☐ 現状のままで査定を取った(仲介・買取の両方)
  • ☐ 売れるモノを買取に出した
  • ☐ 片付け・解体の見積もりを2〜3社から取った
  • ☐ 実家のある自治体の補助金を調べた(申請は工事の契約前)
  • ☐ 3,000万円特別控除の条件と期限を確認した
  • ☐ 郵便物の転送、電気・ガス・水道の手続きを確認した

まとめ

実家じまいは、お金がないからといってあきらめる必要はありません。大切なのは次の3つです。

  • 先にお金を払わない順番で進める(話し合い→現状のまま査定→売れるモノの現金化→相見積もり)
  • 補助金や税金の特例など、期限のある制度を早めに確認する
  • 放置せず、わからないことは専門家や自治体の窓口に相談する

まずは、家族での話し合いと、今のままの状態での査定から始めてみてください。


参考(2026年10月1日確認)

  • 国税庁「No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」
  • 裁判所「相続の放棄の申述」
  • 法務省「相続土地国庫帰属制度について」
  • 国土交通省「空家等対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律」関連資料
  • 国民生活センター「不用品回収サービスのトラブル」
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