シャンプーのあと、排水口にたまる髪の量が増えた気がする。分け目や頭のてっぺんが、前より透けて見える。40代後半から50代になって、こんな変化に気づく方は多いようです。
先に結論をお伝えします。
- 髪は健康な人でも1日50〜100本ほど抜けます。抜けた本数だけで心配しすぎなくて大丈夫です
- 一方で、女性の薄毛は更年期のころに増えやすいことが、皮膚科のガイドラインでも紹介されています
- 急に増えた、まだらに抜ける、ほかの不調もある、という場合は皮膚科で相談するのが安心です
この記事では、調べてわかったことをもとに、「普通の抜け毛」と「相談したほうがいいサイン」の見分け方、自分でできるヘアケアの見直し、薄毛対策の選択肢をまとめました。
※この記事は一般的な情報です。症状が気になるときは、皮膚科などの医師に相談してください。
幼少期は髪が多くて悩んでいたのに…まさか自分が薄毛で悩むとは!
(更新日:2026年10月)
1日に何本抜けたら多い?まずは目安を知る
髪には、伸びる時期(成長期)と、抜ける準備をする時期(休止期)のサイクルがあります。MSDマニュアル(家庭版)によると、正常でも毎日50〜100本程度の髪が抜け落ちます。シャンプーのあとは、それ以上抜けて見えることもあります。
「抜けた本数」だけで判断するより、次のような変化に目を向けるのがおすすめです。
- 分け目の幅が、以前より広くなった
- 頭のてっぺんの地肌が、透けて見えるようになった
- 髪を結んだときの束が、細くなった
- 短い毛・細い毛が多く抜けるようになった
40代前半、ある時、鏡をみたら自分の頭の形がうっすらとわかるほど頭頂部が薄毛に!
更年期に抜け毛・薄毛が増える理由


女性の薄毛は「頭のてっぺん全体」が薄くなりやすい
日本皮膚科学会の「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」では、女性の薄毛は男性と違い、頭頂部の比較的広い範囲が薄くなるパターンで見られること、そして更年期に多くなることが書かれています。この病名は「女性型脱毛症」とされています。
MSDマニュアルでも、女性の場合は頭頂部から薄くなることが多く、生え際は変わらないことが一般的とされています。
更年期以外の原因もある
抜け毛が増える原因は、更年期だけではありません。調べてみると、次のようなものも挙げられていました。
- 強いストレス、高熱、手術、急な体重減少(無理なダイエット)
- 甲状腺の病気
- 貧血、鉄や亜鉛などの不足
- 飲んでいる薬の影響
皮膚科のガイドラインでも、女性の薄毛を診るときは、こうした別の原因をまず除外することが大切とされています。「更年期だから仕方ない」と決めつけず、気になるときは一度相談するのが安心です。
自然な抜け毛?相談したほうがいい?見分けの目安


| 様子 | 考えられること | どうする? |
|---|---|---|
| 1日50〜100本ほど、全体から少しずつ | 自然な生え替わりの範囲 | ヘアケアを見直しながら様子を見る |
| 分け目・頭頂部がじわじわ薄くなってきた | 女性型脱毛症などの可能性 | 皮膚科で相談すると選択肢がわかる |
| 数か月前の高熱・手術・ダイエットのあとに急に増えた | 一時的な抜け毛(休止期脱毛)の可能性 | 皮膚科で相談。原因がはっきりすると安心 |
| 丸く・まだらに抜けている | 円形脱毛症などの可能性 | 早めに皮膚科へ |
| だるさ・むくみ・動悸・体重の変化なども一緒にある | 甲状腺の病気や貧血などの可能性 | 内科・皮膚科で相談 |
| 頭皮の赤み・かゆみ・痛み・フケが強い | 頭皮のトラブルの可能性 | 皮膚科へ |
※これは目安です。判断に迷うときは、医師に相談してください。
何科に相談する?
- 皮膚科:抜け毛・薄毛そのものの相談は、まず皮膚科へ。髪の悩みを専門に診る外来があるところもあります
- 婦人科:ほてり・発汗・月経の変化など、更年期らしい症状がほかにもある場合
- 内科:だるさや体重の変化など、全身の不調がある場合
受診のときは、「いつごろから」「どこが薄くなったか」「最近の体調の変化・ダイエット・手術」「飲んでいる薬」をメモしておくと伝えやすくなります。
皮膚科のガイドラインでは、どんな対策が紹介されている?
日本皮膚科学会のガイドラインでは、薄毛の対策ごとに「どのくらいすすめられるか(推奨度)」が示されています。女性の薄毛(女性型脱毛症)に関係する主なものを、わかりやすくまとめました。
| 対策 | 推奨度(女性型脱毛症) | ポイント |
|---|---|---|
| ミノキシジルの外用(1%) | A:行うよう強くすすめる | 市販の女性用は「第1類医薬品」。薬剤師の説明を受けて購入する |
| かつら(ウィッグ)の着用 | C1:行ってもよい | 見た目の悩みを軽くする方法として |
| 自毛植毛 | C1:行ってもよい | 医療機関での手術 |
| フィナステリド・デュタステリドの内服 | D:行うべきではない | 男性向けの薬。女性にはすすめられていない |
| ミノキシジルの内服 | D:行うべきではない | ガイドラインではすすめられていない |
※日本皮膚科学会「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」より。推奨度は2017年時点のものです。
市販の女性用発毛剤を使う前に
PMDA(医薬品医療機器総合機構)の情報によると、市販の女性用ミノキシジル1%ローションは第1類医薬品で、効能は「壮年性脱毛症における発毛、育毛及び脱毛(抜け毛)の進行予防」とされています。
また、次のような人は使えない、または使う前に医師や薬剤師への相談が必要とされています。
- 20歳未満の人、妊娠中・授乳中の人
- 甲状腺の病気がある人
- 円形脱毛症の人、急に体重が減った人 など
使えるかどうか、自分の抜け毛に合うかどうかは、薬剤師や皮膚科医に確認してから考えましょう。
自分でできるヘアケアの見直しポイント


ここからは、毎日の習慣で見直したいポイントです。どれも「これで髪が増える」というものではなく、頭皮と髪に余計な負担をかけないための工夫です。
洗い方
- シャンプーはよく泡立て、指の腹でやさしく洗う(爪を立てない)
- すすぎ残しがないよう、しっかり流す
- 抜け毛が気になっても、洗うのを極端に減らさない(頭皮を清潔に保つ)
乾かし方・スタイリング
- タオルでこすらず、押さえるように水気をとる
- ドライヤーは頭皮から少し離し、同じ場所に熱を当て続けない
- きつく結ぶ・同じ位置で結び続けることは避け、分け目もときどき変える
食事と暮らし
厚生労働省の更年期向け資料では、この時期の食事として、たんぱく質、ビタミンB群・D、カルシウム、亜鉛、鉄などを適切にとることが大切とされています。主食・主菜・副菜のそろった食事を基本にしましょう。
- 無理なダイエットをしない
- 睡眠をとり、ストレスをためこみすぎない
サプリメントを使う場合は、薬との飲み合わせや、科学的な根拠が十分でないものもあることに注意が必要です。飲んでいる薬がある人は、医師や薬剤師に相談してからにしましょう。
ビオルチア スカルプブラシのおすすめポイント
- シリコン製の突起で、シャンプーのときに爪を立てずに頭皮を洗える
- 持ちやすい形で、フック付き。お風呂場に掛けて乾かせる
- 「指で洗うと力が入りすぎる」という人の洗い方の見直しに
見た目の工夫も立派な選択肢
薄毛が気になって出かけるのがおっくうになるなら、見た目の工夫を取り入れるのもひとつの方法です。
| 方法 | 手軽さ | ポイント |
|---|---|---|
| 分け目を変える・ジグザグにする | ◎ | 今日からできる。同じ分け目を続けない |
| ボリュームが出るカット・パーマ | ○ | 美容師に「頭頂部のボリュームが気になる」と相談 |
| 部分ウィッグ・ヘアピース | ○ | 頭頂部だけカバーできるものもある。試着できる店が安心 |
| 帽子・ヘアアクセサリー | ◎ | 紫外線対策にもなる |
このヘアピース(部分ウィッグ)のおすすめポイント
- 人毛100%・総手植え。シートは約1mm以下と薄い
- 約2.5×10cm・約10gと小さく軽いので、分け目や頭頂部だけをカバーしたいときに
- クリップ2か所でとめるだけ。色はナチュラルブラックなど数色から選べる
抜け毛が気になったときのチェックリスト
- 抜けた本数より「分け目・頭頂部の変化」を見ている
- 数か月以内に、高熱・手術・急なダイエットがなかったか振り返った
- だるさ・動悸・体重の変化など、ほかの不調がないか確認した
- まだらに抜ける、頭皮の赤み・かゆみがあるときは皮膚科に行くと決めた
- シャンプーは指の腹でやさしく、すすぎはしっかり
- タオルでこすらず、ドライヤーの熱を当てすぎない
- 結ぶ位置や分け目をときどき変えている
- たんぱく質・鉄・亜鉛などを意識して、バランスよく食べている
- 市販の発毛剤を使う前に、薬剤師・皮膚科医に相談する
まとめ
更年期の抜け毛は、多くの女性が経験する変化です。大切なのは次の3つです。
- 1日50〜100本ほどは自然な抜け毛。本数より「分け目・頭頂部の変化」を見る
- 急に増えた、まだらに抜ける、ほかの不調もあるときは、皮膚科で相談する
- 毎日のヘアケアは「頭皮と髪に負担をかけない」ことを意識し、見た目の工夫も上手に取り入れる
ひとりで悩み続けるより、一度専門家に相談すると、自分に合う選択肢が見えてきます。
ストレス発散も忘れずに!
参考

