親が施設に入った、亡くなった、実家を手放すことになった。そんなとき、家じゅうのモノを前に「とても自分たちだけでは片付けられない」と感じる方は多いと思います。
先に結論をお伝えします。実家の片付けを業者に頼むなら、「業者の種類」を知り、「許可」と「見積書」を確認することがいちばん大切です。 同じ「片付け」でも、不用品回収・遺品整理・買取など、得意なことが違う業者があります。そして、片付けまわりは消費者トラブルの相談が多い分野でもあります。
この記事では、公的機関の情報をもとに調べてわかったことを、次の順でまとめました。
- 実家の片付けを頼める業者の種類と比較表
- 許可の確認方法(ここがいちばん大事)
- 見積もりの取り方・見積書のチェックポイント
- 依頼前にやっておくことと、当日までの流れ
実家ってモノが多くて悩ましいですよね…
我が家は父が捨てまくる発作が定期的にあるので、大したことないですがそれでもまだ多い。まずはミニマリストという言葉を教えたい。


(情報確認日:2026年10月23日)
実家の片付けを頼める業者の種類【比較表】
「片付け業者」とひと口にいっても、実際にはいくつかの種類があります。
| 種類 | 得意なこと | 向いているケース | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 不用品回収業者 | 家具・家電・粗大ごみの運び出し | 処分したいモノがはっきりしている | 家庭ごみの回収には許可が必要。無許可業者のトラブルが多い |
| 遺品整理業者 | 仕分け・探しもの・供養品の扱いまで含めた片付け | 親が亡くなったあと、モノが多く仕分けから頼みたい | サービス範囲が業者ごとに違う。ごみの運搬は許可業者と連携しているか確認 |
| 出張買取業者 | 着物・骨董・貴金属・家電などの買い取り | 売れそうなモノがある | 古物商の許可が必要。突然の訪問購入は8日間クーリング・オフ可 |
| 便利屋・ハウスクリーニング | 小規模な片付け、清掃 | モノが少なく、掃除中心 | ごみの処分まで頼むなら許可の確認が必要 |
| 空き家の買取業者 | 家財を残したまま家ごと買い取る | 売却も決めていて、手間をかけたくない | 買取価格は仲介より安くなりやすい |
| 自治体の粗大ごみ・持ち込み | 決まった品目を安く処分 | 時間があり、家族で運び出せる | 量が多いと時間がかかる。出し方は自治体ごとに違う |
どれか1つに決める必要はありません。たとえば「売れるモノは先に買取 → 残りを片付け業者へ」と組み合わせると、費用の足しになることもあります。
いちばん大事なのは「許可」の確認
家庭のごみを運ぶには、市区町村の許可が必要
家庭から出るごみ(一般廃棄物)を回収・運搬するには、市区町村の「一般廃棄物処理業」の許可を受けているか、市区町村から委託を受けている必要があります。
柏市のホームページでは、次の許可だけでは家庭ごみを回収できないと説明されています。
- 産業廃棄物収集運搬業の許可(会社や工場のごみ用)
- 古物商の許可(中古品の売買用)
- 貨物運送の許可(運送用)
ホームページに「許可あり」と書いてあっても、どの許可なのかを確認するのがポイントです。
許可業者の確かめ方
- 実家のある市区町村のホームページで「一般廃棄物 許可業者」を検索する
- 見つからなければ、市区町村の清掃・環境の担当窓口に電話で聞く
- 遺品整理業者の場合は、「ごみの運搬はどの許可業者が行うのか」を聞く
なお、エアコン・テレビ・冷蔵庫(冷凍庫)・洗濯機(衣類乾燥機)の「家電4品目」は、家電リサイクル法のルールで処分します。まとめて業者に頼む前に、扱いを確認しておきましょう。
許可は市区町村ごとです。依頼する業者が、実家のある市区町村の許可を持っているかを確認しましょう。自治体によっては、遺品整理や引越しで出る家庭ごみに限った許可制度を設けているところもあります(例:福岡市)。
買取は「古物商」の許可
モノを買い取る業者には、古物商の許可(都道府県の公安委員会)が必要です。許可番号をホームページや名刺に載せている業者が多いので、確認しておくと安心です。
片付け業者のトラブル事例と、防ぐポイント
国民生活センターには、次のような相談が寄せられています。
- 「軽トラックパック7,000円」の広告を見て頼んだのに、当日25万円を請求された(不用品回収)
- 作業当日に予定外の料金を請求され、見積もりの約2倍を払うことになった(遺品整理)
- 契約後に解約しようとしたら、高額なキャンセル料を求められた
- 残すはずだった品まで処分された
不用品回収サービスの相談は、2021年度に2,231件。2018年度の1,354件から大きく増えています(国民生活センター、2022年公表)。
防ぐポイント
- 見積もりは2〜3社から取る
- 電話やネットの「概算」だけで決めず、実家を見てもらったうえでの見積もりをもらう
- 追加料金とキャンセル料の条件を、書面で確認する
- 残すモノと処分するモノを、はっきり分けておく
- 納得できない請求はその場で払わず、消費者ホットライン「188」に相談する
見積書のチェックリスト


見積書をもらったら、次の項目を見比べてみてください。
- 作業内容(仕分け・運び出し・清掃など)が書いてある
- 「一式」だけでなく、内訳(人件費・車両・処分費など)がある
- 追加料金がかかる条件が書いてある
- キャンセル料の有無と金額が書いてある
- 買取がある場合、買取額と差し引き方が書いてある
- ごみの運搬を行う業者と、その許可がわかる
- 作業日・作業時間・人数が書いてある
- 支払い方法とタイミングが書いてある
金額がいちばん安い業者が、いちばんよい業者とは限りません。「書いてあることがはっきりしている業者」を選ぶのが、トラブルを避ける近道です。また、気になることがあれば必ず事前に問い合わせしましょう。
業者に頼む前にやっておくこと
業者に頼む前に、家族で次のことを済ませておくと、作業もスムーズで費用も抑えやすくなります。
1. 探しもの・残すものを決める
- 通帳・印鑑・権利証・保険証券・遺言書などの大事な書類
- 写真・手紙・形見として残したいモノ
「探すものリスト」「残すものリスト」を作って、業者にも渡しておきましょう。
2. 相続放棄を考えているなら、先に専門家へ
親に借金がある場合など、相続放棄を考えているなら注意が必要です。遺品を売る・処分するなどの行為が、相続を承認したとみなされるおそれがあります。片付けを始める前に、弁護士・司法書士へ相談してください。
3. 売れるモノを先に確認する
着物・骨董・貴金属・ブランド品・状態のよい家電などは、買取に出すと片付け費用の足しになることがあります。片付けと買取を一緒に頼める業者もあります。
4. 自治体の補助金を調べる
自治体によっては、空き家の家財処分に補助金を出しているところがあります。多くは「処分の前に申請」が条件で、業者も市区町村の名簿に載っている許可業者から選ぶ必要がある場合があります。業者に頼む前に確認しましょう。
たとえば広島県呉市では、令和8年度は処分費用の2分の1(上限10万円)を補助しています。処分前の申請が必要で、ごみの処分・運搬を頼む業者は市の登録業者から選びます(2026年10月23日確認)。
依頼から作業当日までの流れ


- 家族で方向性・費用分担・残すモノを決める
- 2〜3社に見積もりを依頼(実家を見てもらう)
- 見積書を比べ、許可・内訳・追加料金の条件を確認
- 契約(書面を受け取る)
- 作業当日はできるだけ立ち会う
- 作業後、残すモノが残っているか確認してから支払い
遠方で立ち会えないときは、作業前後の写真をもらう、ビデオ通話でつないでもらうなど、確認の方法を事前に相談しておくと安心です。
まとめ
実家の片付けを業者に頼むときは、次の3つを押さえておきましょう。
- 業者の種類を知り、「買取+片付け」など組み合わせも考える
- 家庭ごみの運搬には市区町村の一般廃棄物処理業の許可が必要。どの許可かを確認する
- 見積もりは2〜3社。内訳・追加料金・キャンセル料を書面で確認する
実家じまい全体の費用が心配な方は、実家じまいでお金がないときの進め方もあわせて読んでみてください。


見積もりは2〜3社から取って、許可と内訳を見比べるのが基本です。空き家の相談から残置物の撤去まで、まとめて相談できる窓口もあります。
親が亡くなったあとの片付けなら、全国の遺品整理業者を紹介してもらい、見積もりを頼めるサービスもあります。紹介された業者でも、許可と見積書の中身は同じように確認してください。
空き家片付けセンターは、空き家の相談・買取・残置物の撤去を受け付けているサービスです。比べる候補の1社にしてみてください。
参考


