「そろそろ実家をどうにかしないと」と思っても、何から手をつければいいのか分からない。実家じまいは、片付け・相続・売却・解体と、やることが多く、しかも期限のある手続きが混ざっているのが難しいところです。
先に結論をお伝えします。実家じまいは「話し合い → 確認 → 片付け → 手放す → 最後の手続き」の5段階で進めると整理しやすくなります。 そして、親が亡くなったあとの場合は、相続の期限(3か月・4か月・10か月・3年)を先にカレンダーに書き込んでおくのがポイントです。
この記事では、公的機関の情報をもとに調べてわかったことを、次の順でまとめました。
- 実家じまいの全体の流れ(5段階)
- 「親が存命」と「相続後」で違うこと
- 期限つきのやることリスト
- 段階ごとの相談先の一覧
※相続・税金・法律は、個別の事情で結論が変わります。最終的な判断は、専門家や自治体の窓口に確認してください。
期限があると知らない友人が大変な思いをしてました
(2026年10月18日確認)
実家じまいの流れは5段階
まずは全体像です。
| 段階 | やること | 目安のタイミング |
|---|---|---|
| 1. 話し合い | 売る・貸す・残すの方向性、費用分担、残したいモノ | 最初に |
| 2. 確認 | 名義・相続・書類・借金の有無、査定、自治体の制度 | 片付けの前に |
| 3. 片付け | 形見分け、買取、業者への依頼、粗大ごみ | 方向性が決まってから |
| 4. 手放す | 売却・解体・貸し出しなど | 片付けと並行、または後 |
| 5. 最後の手続き | ライフラインの解約、郵便の転送、税金・登記の確認 | 手放す前後 |
実家じまい全体にかかる期間は、家の大きさやモノの量、家族の事情によって大きく変わります。数か月で終わることもあれば、1年以上かかることもあります。あせらず、期限のあるものから順に進めましょう。
「親が存命」か「相続後」かで、最初の一歩が違う
親が存命の場合(施設入居・同居など)
実家の名義が親のままなら、売るのも貸すのも、原則として親本人の意思で行います。
- 親の気持ちを聞く(残したいモノ、家をどうしたいか)
- 名義や権利証、固定資産税の通知書の場所を確認する
- 親の判断能力が低下していると、売買などの契約が難しくなることがあります。その場合は成年後見制度の利用が必要になることもあります。早めに専門家や、地域の相談窓口に相談しましょう
存命で親本人の意思が確認できるといいのですが、うちの母は意思表示ができない状態になってしまったので…そうなる前に終活準備をしておきましょう
親が亡くなったあと(相続後)の場合
実家は相続財産になります。片付けや売却の前に、相続の手続きと期限を確認することが大切です。
- 遺言書があるか
- 相続人は誰か、実家を誰が相続するか
- 借金などの負の財産がないか(相続放棄を考えるなら3か月以内)
次の「期限つきやることリスト」を見ながら進めてください。
相続後の実家じまい 期限つきやることリスト
親が亡くなったあとに関係する、主な期限です。
| 期限 | 手続き | 窓口・相談先 |
|---|---|---|
| 3か月以内 | 相続放棄(する場合)。※放棄を考えているなら、遺品の処分・売却はしない | 家庭裁判所、弁護士・司法書士 |
| 4か月以内 | 準確定申告(亡くなった親の所得税の申告が必要な場合) | 税務署、税理士 |
| 10か月以内 | 相続税の申告・納税(遺産が基礎控除額を超える場合) | 税務署、税理士 |
| 3年以内 | 相続登記(不動産の名義変更)。2024年4月から義務化 | 法務局、司法書士 |
| 相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日まで(かつ2027年12月31日までの売却) | 相続した空き家の3,000万円特別控除を使う場合の売却期限 | 税務署、税理士 |
いずれも「知った日から」「翌日から」など数え方に決まりがあります。正確な期限は、窓口や専門家に確認しましょう。
- 相続登記は、正当な理由なく怠ると10万円以下の過料の対象になることがあります。2024年4月より前に相続した不動産も対象です(2027年3月31日まで猶予)
- 3,000万円特別控除は、建物の建築時期(1981年5月31日以前)などほかにも条件があります
- 2024年1月1日以降の売却では、相続人が3人以上いると控除額は1人あたり2,000万円になります。一方で、売ったあと翌年2月15日までに買主が解体や耐震改修をした場合も対象になりました
ステップ別 実家じまいの手順
ここからは、5段階を具体的なステップに分けて説明します。
- 実家を「売る/貸す/しばらく残す」のどれにしたいか
- 費用を誰がどう負担するか(売却代金から精算するかも含めて)
- 形見として残したいモノ、仏壇・お墓をどうするか
遠方の家族とは、オンラインで話す、写真を共有するなどして、「見える形」で決めておくと安心です。
- 登記上の名義(法務局で登記事項証明書を取れます)
- 権利証(登記識別情報)、固定資産税の通知書
- 通帳・保険証券・年金の書類
- ローンや借入れの有無
- 不動産会社に今のままの状態で査定してもらう(仲介と買取の両方)
- 実家のある自治体の、空き家の解体・家財処分などの補助金を調べる
自治体の補助金は、多くの場合「工事や処分の契約前に申請」が条件です。片付けや解体を頼む前に確認しておきましょう。
- 探しもの(書類・貴重品)と、残すモノを先に取り出す
- 売れるモノは買取に出す
- 残りを、自治体の粗大ごみや片付け業者で処分する
業者に頼む場合は、2〜3社から見積もりを取りましょう。家庭のごみを運ぶには、市区町村の一般廃棄物処理業の許可(または委託)が必要です。
- 売却:売るには、相続人への名義変更(相続登記)が必要です
- 解体:建物を壊すと、翌年から固定資産税の軽減(住宅用地の特例)が受けられなくなることがあります。査定と補助金の確認を済ませてから決めましょう
- 貸し出し:修繕費や管理の手間も含めて検討します
- 電気・ガス・水道・電話・インターネットの解約や名義変更
- 郵便物の転送(日本郵便の転居届。届出日から1年間、無料で転送)
- 新聞・宅配などの定期サービスの解約
- 固定資産税の納税者の確認(売却・解体した年の扱いも)
- 火災保険・地震保険の解約や名義変更
やることが多いです!がんばりましょう
段階ごとの相談先一覧
| 困っていること | 相談先 |
|---|---|
| 相続放棄、相続人どうしのもめごと | 弁護士、家庭裁判所 |
| 相続登記、名義変更 | 司法書士、法務局 |
| 相続税、準確定申告、3,000万円特別控除 | 税理士、税務署 |
| 親の判断能力と契約 | 弁護士・司法書士、地域の相談窓口 |
| 空き家の補助金、空き家バンク | 実家のある市区町村の空き家担当 |
| 片付け業者とのトラブル | 消費者ホットライン「188」 |
実家じまいの手順 チェックリスト
- 家族で方向性・費用分担・残すモノを話し合った
- 名義と書類(権利証・固定資産税の通知書)を確認した
- (相続後)遺言書・相続人・借金の有無を確認した
- (相続後)期限(3か月・4か月・10か月・3年)をカレンダーに書いた
- 現状のまま査定を取った(仲介・買取)
- 自治体の補助金を調べた(契約前に申請)
- 探しもの・残すモノを取り出してから片付けた
- 片付け業者は相見積もりと許可を確認した
- 売却・解体の前に相続登記をした
- ライフライン・郵便・保険などの手続きをした
まとめ
実家じまいの手順は、次の5段階で考えると整理しやすくなります。
- 話し合い → 確認 → 片付け → 手放す → 最後の手続き
- 相続後なら、3か月・4か月・10か月・3年の期限を先に押さえる
- 片付けや解体の前に、査定と自治体の補助金を確認する
費用の面が心配な方は、実家じまいでお金がないときの進め方もあわせて読んでみてください。
補助金の確認だけは忘れないで!
片付けを業者に頼むか迷っているなら、まずは見積もりだけ取って、費用の目安をつかんでおくと、そのあとの計画が立てやすくなります。
空き家の相談・買取・残置物の撤去を受け付けている窓口の一つが、空き家片付けセンターです。
参考


